ついにボーイング社の新型737 MAXの
一時生産停止が決定しました
墜落事故以来 ボ社の株価も下落してきましたが
生産停止の余波は更に広がっています
GEにも大きな痛手
米航空機大手ボーイングが新型機「737 MAX」の
生産停止を決定したことは、米ゼネラル
エレクトリック(GE)のキャッシュフローに
大きな痛手となる公算が大きい。
737MAX問題はこれまで既にGEの財務状況を
圧迫している。
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737 MAX用のCFMインターナショナルCFM56エンジンの内部構造
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GEはフランスの防衛大手サフランとの
合弁会社を通じ、全てのMAX型機向けエンジン
製造している。ボーイングは4月、生産機数を
月間52機から42機に削減。
これを受け、GEのキャッシュフローは
四半期で4億ドル(約440億円)減少した
生産停止は長期化すればGEのキャッシュフロー
を一段と減少させる恐れがある。
現にアナリストらは、航空機の製造中の
ような支払いをGEが受け取れなくなると
警告した/WSJより
ANAも導入予定
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同型機の最新のグラスコクピット |
この737 MAX 8については ANAホールディングス
ANAHDも すでに20機が確定発注で残り10機が
オプションという状況です
ただ 今回の欠陥についてボ社では
わりと早い段階で把握していたのではないか?
ということも言われています
米ボーイング、16年に欠陥認識か
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エチオピア航空302便の同型機による事故 |
米ボーイングのテストパイロットが、
2度の墜落事故を起こした小型機「737MAX」の
欠陥について、2016年の時点で認識していた
可能性があると報じた。
事故原因とされる機体制御システムの問題を
指摘するメッセージを同僚に送っていたという
/ロイターより
これまでの各種報道から 管理者の立てた推論です
見えてきた要因
a ボ社は737型を改良するために 効率の良い
CFMインターナショナル社製ジェットエンジン
LEAP-1Bのファン直径68.1in /173 cmタイプを
選択した(これにより直径が16cm大きくなる)
b 737型の脚の長さでは このエンジンを
主翼下に収めることができず 前縁よりも
かなり前に飛び出したレイアウトとなった
(C-2など大型輸送機に なぜ高翼機が多いかは
このエンジンの地上とのクリアランスの
こともあるわけです)
c そのために機体全体のバランスが変化し
飛行中に機首上げ状態になりやすくなった
d そして それを補正するためにMCASが
機首下げのコントロールをして 過度な
迎え角を取らないようにするはずが
そこに不備 またはトラブルが発生した
二件の墜落事故は いずれも離陸から間もなく
発生しています
このように 過度な機首上げでAoA/迎え角が
大きくなりすぎると失速して揚力も失い墜落します
(戦闘機なら 余剰推力が大きいので垂直方向でも
ほぼ推力だけでロケット同様に上昇できる)
逆に 高度も無いのに 過度な機首下げに
なれば こちらも地面に激突します
ちょっと古い数値ですけど ジャンボのエンジンは
7t程度でしたから 双発なら14tぐらいになります
737MAXは乾燥重量で70t前後ですから 約二割の
質量の配置が変わることになるわけです
こうしてみるといまのところ これらの説が
有力かなという気がします
むろん ボ社は旅客機の老舗中の老舗なので
十分な対策はとったと思われますし
737型も1967年の初飛行以来 一万4500機以上が
作られ飛行してきた傑作旅客機です
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NASAが使用していた初期型 |
ピッチアップのこともわかっていたようですから
想定しなかったなんらかの不具合が重なったとも
考えられます
完全な改修がなされれば 復活するものと
思っています
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