2021年12月17日金曜日

〇巨大肥料消費国中国で肥料価格高騰 日本も燐は厳しい状態がくる可能性も

アンモニアや尿素に続いて 今度は窒素やリンと
いった肥料も不足する事態が見えてきました
後半では日本の対策についても見ましょう

世界一の肥料大国・中国で肥料価格が
高騰 農家に補助金、輸出を制限


化学肥料の生産量、輸出量がともに
世界一の中国で、肥料価格の高騰が続いている。
食糧生産に影響が出る恐れがあり、輸出の
規制も図って供給確保に努めている。

中国は世界のリン酸肥料の35%を生産し、
窒素肥料とともに生産量は世界一を誇る。
カリもカナダやロシアなどに次ぐ一大生産国だ。
中国国家統計局によると、肥料の原料となる
尿素の市場価格は今年に入り64ポイント増の
1トン3144元(約5万5923円)を記録。

10年ぶりに最高値を更新
リン酸アンモニウムも64%の1トン3345元
(約5万9498円)、塩化カリウムは
59ポイント増の1トン3178元(約5万5941円)
と軒並み上昇している。

 中国国内では化学肥料の過剰供給を
調整するため、生産量を2015年の7432万トン
から2020年は26ポイント減の5496万トンに
減産していた。このタイミングで化学肥料の
製造に必要な原油・天然ガスの価格が国際的に
急騰し、肥料の価格も跳ね上がる形となった。

 ならば生産量を再び増やせばいいかと
いうと、中国では環境保護政策を進めている
一環でリン鉱石の生産量を抑え、リン酸の
増産は難しい

肥料製造企業も価格高騰のピークが過ぎた
後に過剰在庫を抱えることを警戒し、
窒素やカリを含め工場の稼働率を抑える企業がある。

 肥料価格は世界的にも高騰しており、
尿素の国際価格は昨年の260ドル(約2万9520円)
から850ドル(約9万6509円)に上昇している。

ただ、中国は安全保障の観点から食糧の
安定供給を重視しており、危機感は強い。
肥料価格の高騰により、農産物を作っても
赤字になりかねない農家が生産を控える
ことを懸念し、中国政府は200億元
(約3562億円)の補助金を国内の農家に交付。
さらに10月には尿素、硝酸アンモニウム、
リン酸肥料など29品目の輸出前検査を行うと
発表し、事実上の輸出削減措置を取った。

中国は160か国・地域に化学肥料を輸出
2002年に134万トンだった輸出量は2020年には
2917万トンに達し、20年足らずで約21倍に増えた。
今年も1~9月は前年同期比31ポイント増の
2611万トンを輸出し、金額ベースでは99.5ポイント増
の90億3300万ドル(約1兆256億円)に上るが、
国内供給を優先し輸出にブレーキをかけた。
東方新報より

韓国で尿素水不足が発生していることは周知のことと
思いますが あれも元をただせば中国のアンモニアなどの
輸出規制に端を発してます


ところで肥料の3要素は窒素、カリウム リン酸といわれます
そこで この三つの日本の状況を見てみましょう

窒素についてはあまり心配はない


重要な窒素は生産工場で直に取り込まれた空気を
圧縮後に冷却して液化させ 更に沸騰時の沸点の違いから
化学的に酸素と窒素 アルゴンを分離精製します

ただし 問題なのは肥料として使われるのは
窒素そのものではなく 窒素質肥料(尿素や
石灰窒素)だという点です



農林水産省データ

また尿素は肥料レベルの純度であれば
マレーシアと中東で5割 国産も4%程度あります

カリウムはやや不安



続いてカリと呼ばれるカリウムです
これは輸入先がカナダなどに分散しているので
一応は安心ですが ベラルーシなどの地勢的な
不安もあるでしょう

もっとも畑をやっている方ならよくご存じの
昔から使われている草や木を燃焼させた後の
草木灰には、炭酸カリウムが多く含まれています

またバナナの皮の約40%強がカリウムといわれていまので
こうした捨てられているものを有効活用すべきでしょう


問題はリン肥料だ



そこで問題なのが燐です
この鉱石はとれる場所が限られています
日本は約9割を中国に依存しているわけです

この画像はリン酸アンモニウムだけです
それで2008年とちょっと古い資料なんですが
日本の年間に必要な燐鉱石全体は約620万tで
その内の2/3が肥料関係で消費されています

ただ中国が今後も支配するかは微妙


ところでりん鉱石の輸出の最大手となっている
中国なんですが では今後も燐の輸出の大元と
なって支配していくかというと微妙です

というのも中国大陸の燐の経済埋蔵量は
世界的には5%程度しかないためです

燐はモロッコと西サハラに70%以上も埋まっています
この二カ国は日本にとっても重要性を増してきますな

また現在 米軍が射爆撃場として使っている
沖大東島には約350万t以上の燐鉱石があるとされています

更に日本では燐を回収をする技術が進められています



どっちかというと厄介者だった窒素とりん
赤潮の発生で魚介類に損害なんて話がよくありました

あれは水中の燐などが増えすぎてプランクトンが
大発生したための現象です

左様に余分な窒素とりんは邪魔者扱いでした
しかし ここにきて価値が高まっていることは
既に見ました そこで回収の動きが活発化しています

排せつ物から肥料用リン 日立造船やクボタ
供給不足に対応

日立造船やクボタは豚や人の排せつ物から
リンを回収する事業を始める。
リンは肥料に不可欠で、原料のリン鉱石の
産出は中国などに偏る。

中国は国内供給を優先して輸出を絞り、
現在の肥料用リンの価格は2008年以来の高値圏にある。




こちらは水質改善用のクボタの燐等の回収工場の様子です
この技術では水中の重金属も取り除くことができます



このように水質改善や💩が減った上に 肥料増産 
その上に中国への依存が減るのならまさに一石三鳥の
妙策といえるでしょう

以上の点から 中共が燐帝国として君臨することは
無理だといえるでしょう リンだけに・・)


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